「見える化」することの“だいじ”は、サステナビリティの諸問題にも関係する。

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かなり久しぶりに帰省やらもした年末年始。

…と、年末年始に思いをはせるのも、もはや時代遅れ感のある2月です。

いつだって、月日はあっという間に経つものですね。


でもしつこく、年末年始の話をしようと思います。
なぜなら、年末年始は1年に1度しか来ないから…!
(当たり前だ。)

この年末年始、改めて思い至ったことは、
何よりも「ゴミ」のこと。

「ゴミの日」のこと。

この、定期的にやってきて、いつも街の美化が保たれている「ゴミ収集」のシステムが、年に一度ばだけ、しばらくお休みする…
その唯一の機会こそが、年末年始なのです。

しばらく、といって、
たった1週間ではあるのですが!
(行政や事業者のみなさま、いつもありがとうございます。)

今回は、
・年末年始のゴミ収集お休み と、
・その後すぐに家をあける(帰省など) という
2つのスケジュールの被りを考慮して、
我が家の「ゴミ排出」の計画を入念に練る必要がありました!

都内でマンション暮らしをしていたり
一軒家に住んでいたりする方々には、
「なんのこっちゃ?」
という話かもしれませんね。

我が家は、
・都内で賃貸だが
・マンションではなく一軒家の一部を間借りしている
という事情につき、

マンションのようにゴミ置き場(収集日に関係なくゴミを出すことができる)がなく、
かつ
一軒家のように勝手口や庭などに大きなゴミ箱を出しておくこともできない
という状況にあります。

ゴミは、収集日に合わせて自分で捨てに行きますし、
たまるゴミは、家の中(またはベランダ)に置いておくしかありません。

この、
「収集日に合わせてゴミを捨てる」
という行為や、
「収集日を逃すと、結構大変なことになる」
というストレスは、
それまでしばらく、管理人さんのいる賃貸マンション暮らしをしていた時には、
すっかり忘れていた一連のことでした。

数年前、今の家に引っ越してきて、
それまではレジ袋単位で、ほぼ毎日、可燃(生)ゴミをマンションのゴミ置き場に出し、
「ゴミっていうのは常に捨てられる」
感覚でいたものが、
数日分はまとめておく生活になり、
その時に、
「わぁ、ゴミって、こんなにはやく、たくさんたまっちゃうんだ」
ということに衝撃を受けたものでした。

45リットルのゴミ袋に、どんどんたまるゴミ。
次の収集日までに1袋に収めることができず、新しいゴミ袋を広げなくてはならないことも。

まさに、ショックです。

生きているだけで
呼吸をするように
ゴミを出すんだな

人間ってなんてクズなんだ…
と、過激派な一面が出てきそうになりつつ
がらりとゼロウエイストな生活は難しいものだから
心を痛めつつも
そんな日常を送っているところ。

そんなところにやってきた、
(1年に1度の)年末年始です。

帰省などにより、「ゴミを出せない期間」がいつもよりも長くなるため、
改めて慎重に、
いかにゴミを出さないか(特に、可燃・生ゴミ)ということを意識したのでした。

結論からいえば
・(食材など)買う量をコントロールする
・食材は使い切る
・食べ切れる量を作る
・食べきる(残さない)
により、だいぶ可燃・生ゴミは減らせるのだなと改めて。

地味なサイクルですが
きっと大切なサイクルです。

どうしても小さい子どもたちがいるので
子どもたちの食べ残し(思ったほど食欲がなかったとか、用意したものが口に合わなかったとか、あとは、気分…)が生じがちなのですが
それも考慮した大人の分を準備するなど含めて。

少々話が逸れますが、
特にこの「食べ残し」に関して思うことは
「人間の消化吸収システムって本当にすごい!」
ということ。

捨ててしまえばゴミですが
口に入ると…
それは血となり肉となり
余すところなく「何か」になるわけです。

そして、排泄まで、無駄なく、秩序立てて。

(そして、この国において、「トイレ」にお休みはないので、ゴミのようにスケジュールを考えなくとも、大丈夫!なのは、何より心強いことです。これはこれで、下水処理に関するさまざまなすばらしいことや課題などについて思いはめぐるわけですが…)

だからやっぱり、
人間は人間としてせめてできること(そう、例えば、食べきる!)を
やり尽くさなくてはならないなと思うに至るわけです。

例えばこんなことについて、
管理の行き届いたマンション暮らしをしていたら、
思い出すことがなかったかもしれない。

近所にもたくさんある
いまだ次々と建設されている
すばらしくおしゃれなマンション群をながめながら、
ここに暮らす人たちは、
きっとこんなことは、もう一生考えないかもしれない…と思うのです。

わたしがきっとそうだったかもしれないように。

それはつまり
ゴミのことは、もう毎朝ゴミ置き場に置いてきて
すっかり「目に見えないもの」になるために
すっかり「自分の問題」でなくなるために。

よく、ビジネスなどで課題を解決したり成長を促したりするのに
問題やそれらを表す指標の
「見える化」が必要だといいますが
ゴミ問題についても、
やはりこの「見える化」が必要なのかもしれないなと思います。

物理的な「ゴミ」、
それがたまっていく様子を、毎日目撃すること。意識すること。

でも、
ゴミを見えなくすることがサービスであり
そこに価値の置かれるライフスタイルである以上、
ゴミ問題の見える化はこの先も難しいのかもしれない。

どんどんマンションが建って、
どんどんマンション暮らしが広がって、
どんどんサービスが充実していく中で、
ゴミ問題、プラゴミ、資源・環境問題、気候変動問題などなど…
つながっているこれら諸問題の解決は、
東京だけでなく、全国的な都市化、都市的ライフスタイルが続くかぎり、
遠のくばかりなのかもしれない。

不便はなくとも意識をするのと、
不便を感じて行動するのとでは、
モチベーション(原動力・推進力)に大きな大きな違いがあるから。

答えはないのだけれど
そんな「私たち」の現状認識をした
年末年始のゴミの話。

ついでの話をすると。

年明けの東京。

4年ぶりの大雪警報が発令され、我が家の近所も一気に雪景色となり、
翌朝は「道路あちこちかちこち凍結問題」が勃発です。

外出の所用があり、ペンギン歩きまたは牛歩にてあゆみを進めていたのですが、
そんなとき、狭い住宅街の歩道で、幾度となく「電柱」に助けられたわたし!!
(つるり、となりそうになって、電柱にしがみつく!とか、電柱につかまって休憩、とか…)

これまで、「見た目」を理由に、電柱・電線の「地中化」には賛成していたのだけれど…

電柱や電線も、ひとたび埋設されてしまうと、
もうすっかり目に見えなくて、
「電気って、自然に供給されるもの」
「電気って、どこかで誰かが勝手にやっている何か」
になってしまうのかな。

ただでさえ、
発電所は遠くにあり、
「電気」はゴミと違って目にも見えず、
これまでもあまり「見えない」ものなのに。

この、灰色にそびえたつもの、黒々とそこらじゅうに張り巡らされたもの、
こういった「人工物」が視界に入ってくることは、
「不快だな」という印象を残すほどには、
わたしたちが何かを一生懸命作り出して、何とかかんとか引っ張ってきているんだ、
ということの証拠になるのかもしれない。

それでも何事もなかったように
さも当然のように暮らしている
そんな現代の生き方、
人間の、自然に反した暮らしをつくる、保つ、その必死さを
時折意識させるものとして。

地中化に「環境美化」の観点からは簡単に賛成できなくなってしまったなぁ。

電柱につかまりながら
そんなことを考えていた。

こういうもの、
日々のオペレーション、特にインフラに関わるものの「見える化」って
人間が人間らしくいようと思ったら
自然や環境との接点を少しでも意識しようと思ったら
日常生活の中にも
戦略的に残すことも大切なのかもしれない。

戦略的に、というのが誰視点かといえば
本気で、
「ゼロウエイスト」を目指したり
「気候変動対策」をしようとしている政治やビジネスや個人において。

もし、例えばその街や地域や暮らしを「美しく」「健康的に」しようとするのであれば、
ただ美しくする、ただ(人間にとって)健やかにする、というのとは違う何か。

美しくすること美しくあることが、
健康でいること健康であることが、
一体なんなのか、誰や何にとっての、どういうことなのか、
という根本的なことを明らかにしていかなくてはならない話です。

そうして、それが難しいから…
政治や経済の話は
つじつまが合わなくなってきているのかもしれません。

わたしの場合、ゴミ、についていえば
今の(以前に比べた)不便は
生活のリズムと、工夫への意識を生み出しているという点で、
それなりに楽しんでもいます。

それ以上のことは何もできていないけれど
できることから少しずつ。


よだんメモ

今の暮らしになってからいろいろと調べて、「生ゴミ乾燥機」というものを購入し、生ゴミが多い時は活用(我が家にあるのは、「パリパリキューブ」という商品)。生ゴミをためることになっても、乾燥させておけば、匂いや害虫の問題にだいぶ対処できる。水分が減り、ゴミの量が減るので、ゴミ収集作業にもメリットがあると聞きました。年配の方がゴミ出しをするのにも負担が減ってよい、など。そのため、数年前に調べたときは、こういった機器の購入に補助金を出している自治体もあるということでした(残念ながらわたしの住むところではなかったですが)。電気を使わなくてはならない、というところが個人的には難点だけれど、コンポストまでは、というような、ごく普通のくらしの中で取り入れるには手軽。もし園芸などをやっていれば、肥料にもできる、とか?

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